ペットの飛行機での移動を考える

令和 6年 1月 2日に、羽田空港で痛ましい事故がありました。能登半島地震の対応のために離陸しようとしていた海上保安庁の航空機が、着陸しようとしていた日本航空と衝突して両機ともに炎上するという、日本の航空史上に残るような大事故が発生しました。この事故により、海上保安庁の職員5名の尊い命が失われました。日本航空の乗客・乗員 379名は、奇跡的に全員無事に脱出できました。しかし、機内預けとなっていたペット 2頭は、残念ながら貨物室で絶命してしまいました。

引火性の強い航空燃料の残る機体から、一刻も早く退避しなければならない状況で、貨物室に残るペットの救出は困難であったと思われます。航空会社によっては、稀にペットを客室に持ち込みができるケースもあるようですが、飛行機から一刻も早く安全に退避するために、手荷物を一切持たないで、急いで降機しなければならない状況で、ペットのキャリーバッグを持ち出す事は、緊急避難のリスクにもなります。今回の悲しい事故から、飛行機で旅行する際にペットを預けると、このような悲劇が起こるリスクがある事を理解しておく必要があります。しかしながら事故に遭遇する割合は、統計によると車に乗っている間の方が、航空機の飛行と比較すると桁が違うほど高いそうです。人でも飛行機の移動で、耳が痛くなるなどの体調不良を訴えるケースもあります。

あなたの大切なペットが、不慣れな飛行機での移動で、飼い主から離れて貨物室での空間に、たとえ短時間でも置かれるのは、大きな精神的・肉体的な苦痛になるのではないでしょうか。これらの事を考えれば、ペットの飛行機での移動は、必要最低限にとどめる方が良いと思われます。今回の羽田空港での痛ましい航空機事故で殉職された海上保安庁 5名の職員の方々、そして日本航空機内で不幸にして亡くなったペット 2頭の尊い命のご冥福を心よりお祈りいたします。